スティーブン・D・ラパポート(2012)『リッスン・ファースト!』


Posted on Apr 19



本書では、ソーシャルメディアアカウントを通じた顧客との対話だけでなく、リスニングを通じてマーケティングに活用するためのエッセンスと事例を紹介しています。パート1を中心に、下記に要点整理します。


  • リスニング

    • 誘導の有無に関わらず、自然に発生した人々の会話・行動・シグナルを研究し、人々の実生活に基づいた意見をブランドに取り入れること (p.3)
  • ソーシャルリスニングにおける2種類のリサーチ (p.7)

  • 参考:http://listenfirst.buildcapacity.com/2011/01/05/social-media-monitoring-is-not-research/

    • ソーシャルメディア・モニタリング (戦術的)
      • オンライン上のブランドに関するコメントを日々トラッキングし、広報、ブランド保護、業務活動、顧客サービス、社会活動、エンゲージメント構築などに利用する
    • ソーシャル・リサーチ (戦略的)
      • 自然に発生したオンライン上の会話のカテゴリを分析し、人々の行動の背景、彼らの生活におけるブランドの役割、そしてブランド所有者から見た商品、ブランド、コミュニケーションの意味をより深く理解する


  • リスニング・リサーチのメリット (p.8)
    • スピードとタイミング:日単位で方向性がわかる
    • 柔軟性と軌道修正:新たな手段が見つかった場合にすばやく変更
    • 調査設計:リサーチャーではなく顧客の視点で調査設計ができる
    • リサーチャーの想像の圏外の回答が得られる
    • フィルタリング:フィルタリングされていないデータを得られる
    • 規模:大きい
    • コスト:低い


  • リスニング・リサーチの大きな流れ (p.12)
    • リスニングのための組織作り
    • ビジネスのゴールと絡めた目標設定
    • KPI (重要業績評価指標) の定義
    • リサーチ対象 (最適な意見や会話のソースの決定) の決定、下記の条件を満たすもの (単に人気のSNSを選択してはいけない)
      • 参考:http://www.b-eye-network.com/view/12244
      • 論点性:興味のある情報が十分含まれているか
      • 集中性:関連情報の密度が高く無関係の情報が少ないか (ノイズに対してシグナル比が高いこと)
      • 現在性:情報がタイムリーか
      • 権威性:情報が信頼できるか



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