佐藤望ほか『アカデミック・スキルズ 大学生のための知的技法入門』
Posted on Oct 5
本書は、大学での学び方の基本について説明しています。大学生になってレポート執筆等にどう取り組めばいいか、はじめの一歩を踏み出すための手助けとして役立つでしょう。同時に、研究を続けてきた人にとっても初心にかえることのできる一冊です。以下、重要だと考えた箇所をまとめます。
- アカデミックスキルズとは「大学で学ぶための基礎的技法」
- 大学
- 「自ら問いを発見する場所」であり「自ら選んで入る高等教育の場」
- 学ぶべきことは「教養」
- 理解力、洞察力、思考力、感性を練磨し、問題の所在や本質を発見する能力
- 多角的な視点と客観化に基づいた、「知」の継承と発展を支える枠組
- 使命は様々な「知」の継承と発展
- 学び方
- ノートテイキング
- 全体像をキーワードで可視化
- 余白に疑問や思い付きをメモ
- 情報収集
- 一次資料(オリジナル資料)/二次資料(一次資料に基づいて書かれた資料)
- 文書収集/映像・音響資料/フィールドワーク
- 文献検索(レファレンス資料/単行本/学術論文/新聞記事等/ネット)
- 批判的・論理的思考
- 意見は、一定の論理的根拠をもって他人にも受け入れられる必要あり
- 批判的読解(クリティカルリーディング)
- 精読と速読の使い分け
- 正確な読解の方法
- 要約作成(1段落を1文で要約→節でまとめる→章でまとめる)
- キーワードを見つけ、キーセンテンスを抽出
- 接続詞に注意
- 命題(論文の結論)は、最も重要なキーセンテンス
- 内容の再検証と場合に応じた異議
- 批判とは、単なる反論ではなく、その論を再検討してより良い方向へ再構築しなおすこと
- 研究テーマ
- 学問的問い
- 誰もが再検証可能な方法を使って、まだ誰も明らかにしなかったことを明らかにすること
- 反証可能性を持つ
- 問いの発見は「知的好奇心」と「批判的思考」によって生まれる
- 研究においては、個人的な「問い」を公共的・普遍的な「問い」へ
- 三か条
- 独自の着眼点から、説得性のある論理を展開
- 発表の枠組
- 主題・目的
- 資料やデータの要約・紹介
- 資料やデータの分析
- 命題の提示と論証
- まとめ
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