山口真一「実証分析による炎上の実態と炎上加担者属性の検証」


Posted on Oct 20



※ 書誌情報は後で追加

炎上に関しては、「ソーシャルメディアコミュニケーション」の授業でテーマとして取り上げたこともあり、私自身も学術的関心が強くあります。本論文は、これまでの炎上に関する研究の整理を行い、さらにアンケート調査を通じて炎上加担者属性について分析を行っています。私は、経済学的モデルに関して知識がないので、その観点から、誰かにこの分析を解説していただきたいです。下記、まとめと参考資料の整理です。

  • 目的:近年多く発生している炎上の実態と、炎上に加担している人の分析について、実証分析によって以下6つの仮説検証を行う。
    • (1) 炎上件数は近年増加している
      • 〇:eltes Cloud調査より
    • (2) 企業に関連する炎上が多く発生している
      • 〇:eltes Cloud調査より
    • (3) 炎上加担者は少ない
      • 〇:アンケート調査データより
      • 炎上に加担したことのあるひとは、19,992人中303人(約1.5%)
    • (4) 炎上加担者はインターネットヘビーユーザである
      • ×:計量経済学モデルより
      • アンケート調査にて、客観的属性ベクトルと主観的属性ベクトルを作成
      • Forward Stepwise Selectionを用いて推定、変数選択
      • インターネットヘビーユーザではなく、ソーシャルメディアヘビーユーザ
    • (5) 炎上加担者は年収が少ない
      • ×:計量経済学モデルより
    • (6) 炎上加担者はインターネット上で非難しあって良いと考えている
      • 〇:計量経済学モデルより
  • 炎上の定義:ある人物が発言した内容や行った行為について、ソーシャルメディアに批判的なコメントが殺到する現象
  • 考察
    • 上記6仮説の検証による炎上加担者の実情は、一般的イメージとややずれる
    • 炎上に対し過剰な反応は不要、プラットフォーム設計者の炎上対策へも貢献
    • 炎上加担者はインターネット利用に対する考え方が一般と異なり、リテラシー教育の徹底の必要性
  • 関連研究



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